捏ね(コネ)工程
製造工程でまず始めに行なうことは、原料の粉を調合するところから。基材となるシナ粉と呼ばれる椨(タブ)の木の粉末をベースに、様々な漢薬原料や、オイルを配合していきます。ここで匂いが決まるとても大切な工程。ミスをすると次の作業工程にも大きく影響が出てしまいます。
このシナ粉と呼ばれる基材原料には、自然の糊のような役割があり各香原料をまとめ上げてくれる働きがあります。匂いの元となるのは他の香原料ですが、それらは独自で粘度を持っていません。シナ粉と合わさることで線香状の形に成形出来るという、脇役でいて大切な存在だったりします。シナ粉+匂い粉+水を合わせて、写真のドラムが回転する機械で圧力を掛けながら混ぜ合わせていきます。
しかし、本日はこの割合をミスしてしまい大変なことに。コネてもコネても全く原料が固まってくれません。最悪の場合貴重な原料を廃棄しなければ行けないと思っていたところ、試行錯誤する内になんとか配合割合を再調整して形になりました。やれやれ‥危ないところ。
このように、自然の原料を相手に配合を決めていく作業はレシピがあれども、思いのよらぬ状況になることもあり、そこは粘度を手触りで確認して経験とカンで感触を確かめながら調整していく必要があります。ちょっとそこには職人冥利に尽きる魅力があります。
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